三菱電機子会社の株式会社ドリーム・トレイン・インターネット(本社:東京都港区赤坂6-6-20テルウェル赤坂、代表取締役 飛澤新治、略称:DTI)は、平成14年3月期業績等の概況について発表を行いました。
【決算概況(要旨)及び施策について】
1.当期の市場環境
当連結会計年度におけるわが国経済は依然として厳しい局面が続いておりますが、情報通信分野は、常時接続・ブロードバンドが本格的普及期に入り、ADSL経由によるインターネット利用が急増しており、CATV、FTTHについても同様に増加傾向にあります。また、在来電話回線を利用したダイアルアップ接続によるインターネット利用者も引き続き増加傾向で推移しており、総務省の「インターネット接続サービス利用者数等の推移」によれば、平成14年2月末時点でのインターネット利用者数は、在来電話回線(ダイアルアップ接続)経由で2,008万人、CATV経由で140万人、携帯電話経由で5,034万人、ADSL経由で208万人と推計されており、今後もインターネット利用人口は拡大すると予想されます。
こうした環境下、ISP業界では高速大容量のブロードバンド通信が一般化する中、平成13年7月「Yahoo!BB」によるADSLサービスの値下げを契機に会員獲得のための値下げを余儀なくされ、収益性の低下を招くこととなりました。一方、急速なブロードバンド化によりユーザーのニーズが多様化し、コンテンツ配信サービス、セキュリティ対策としてのVPN、IP電話、法人向けブロードバンド・ネットワークの構築、インターネット会議システムなど様々なサービスが可能となり、またユーザーからも求められるようになりました。
2.当期の損益状況[単独決算]
これまで公表いたしました第3四半期までの報告書のとおり、弊社決算は、2001年7月に「Yahoo!BB」のADSL低価格参入により、サービス価格の値下げを余儀なくされ、第1四半期の赤字に加え、第2四半期決算は、408百万円の大幅赤字となりました。Yahooショックによる上半期赤字計上に対処した損益改善活動を強化するため、第3四半期より「V-up 100days作戦」と銘打って全員参加によるBPR、経費削減、売上拡大等に関する46プロジェクトを展開し、四半期ベースによる損益は第2四半期を底に、第3・第4四半期と赤字幅を大幅に改善することができました。
3.当期の売上概況[連結決算]
売上高は5,968百万円(対前期比16.6%減少)と前年比減収となりましたが、その要因はADSLサービスの価格競争による値下げや、ブロードバンドサービスの導入遅延、ダイアルアップ・ヘビーユーザーのADSLサービスへの移行等による減収を、TEL−PACK、AirH”、FTTH等の新サービス投入による売上増で補うことができなかったことによります。
部門別の売上高につきましては、インターネット接続事業で個人向け接続サービスが4,519百万円(同12.0%減少)、法人向け接続サービスが1,097百万円(同26.0%減少)となったものの、カスタマーサービスなどのその他事業で285百万円(同71.5%増加)となりました。
部門別の売上高内訳
区分 |
平成14年3月期 |
対前期 増減率 |
平成13年3月期 |
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
インターネット接続事業 |
個人向け接続サービス |
百万円 4,519 |
% 75.7 |
% △12.0 |
百万円 5,133 |
% 71.7 |
法人向け接続サービス |
1,097 |
18.4 |
△26.0 |
1,483 |
20.7 |
その他 ※1 |
66 |
1.1 |
△82.4 |
376 |
5.3 |
その他事業 ※2 |
285 |
4.8 |
71.5 |
166 |
2.3 |
合計 |
5,968 |
100.0 |
△16.6 |
7,159 |
100.0 |
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(注)1.※1のインターネット接続事業のその他については、主にインターネット電話などの売上高であります。
(注)2.※2のその他事業については、主にカスタマーサービスなどの売上高であります。
4.今後の対応
インターネットサービスプロバイダー事業各社は様々な事業戦略に基づき事業参入し、規模増に努めてまいりましたが、現在多くのISPが利益形成に苦慮しています。こうした中で如何なる事業構造により利益形成をしていくのか問われており、当社グループは下記方向でこの課題への対応を行ってまいります。
1)黒字化可能な収益・費用構造の確立
- 物理基盤(ネット・サーバー)の抜本的再構築
・ダイアルアップネットワークの効率化
・ブロードバンドのギガビットイーサ・ネットワークによる全国展開および能力拡大と通信単価の削減
- 提携戦略の積極的展開
- サービスメニューの開発力強化と開発から市場投入までの期間短縮
- BPRによる経費削減、業務効率化と人的生産性の向上
2)黒字化実現に向けた行動計画の着実な展開
- 攻略市場の明確化と販売方法の最適化
- 顧客管理システム稼動による業務効率化
3)IR活動の強化
以上を踏まえ、当面の具体的展開として以下のとおり実施してまいります。
- 新ダイアルアップサービス投入によるダイアルアップ顧客の拡大
- ブロードバンド拡販メニュー投入によるブロードバンド顧客の拡大
- 法人事業体制再編と法人新メニュー投入による法人売上の拡大
上記の重要課題に対処し、採算性の向上と安定的経営基盤の構築に努めてまいる所存であります。
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